2021年5月21日 更新
#25
間違いない不動産投資。
「脇坂さん、不動産詳しいですよね?
副業とかで、賃貸不動産やってみたい人多いですから、
ちょっとセミナー講師をやってみませんか」
最近、そんなオファーをいただくことが
たびたびあります。
知人を介して、
「賃貸不動産のこと教えてくれませんか」
という相談もよく舞い込んできます。
皆さん、お金持ちになりたい、とか、
働かずに食べていきたい、とか、
そんな夢をお持ちのようで…。
「必ず儲かる不動産投資」
みたいなものを求めているようです。
わかりました。
こんなWEBの片隅まで
読みに来て出さる方のために、
「不動産投資、これをやれば間違いない!」
という内容をお伝えしましょう…。
いきなり結論を言うと、
「まず、やってみる」
です。
それ以外に不動産投資の王道はないと
言ってもいいと思っています。
やってみて、成功しても失敗しても
長い目で見れば、
それは自分の糧になるという意味では
「間違いない」方法です。
以上!
あ、モノは投げないでください。
「タイトルに釣られた、金返せ!」
という声も聴こえてくるな…。
まあ、私の言い分を聞いてやってください。
人生100年時代なんて言われ始めた頃から、
自分で人生設計をして、
副業もやって資産をつくっていかないと…
みたいなムードになっていますよね。
最近小耳に挟んだのですが、
節約して投資を頑張って、
30代・40代で早期リタイアすることを
「FIRE」っていうらしいです。
本屋に行くと指南本が何冊も出ています。
「すぐにでも働かない人生を叶えたいあなたへ」
みたいキャッチコピーが帯に踊っています。
その影響もあって、不動産投資が人気のようです。
不労所得の代表格みたいなイメージですから。
が、不動産を営んでいる私の周囲の知人で、
そんな早期リタイアを考えている人なんて
ただの一人もいません。
「働かないために不動産をやる」
っていうのは、
真剣に不動産をやっている人からしたら、ありえない。
そもそも、「働かない」という選択肢が
私にはないんです…。
その意味がわからない。
働ける状況にも関わらず働いていなかったら
生きている意味あるの?って
自分自身に関しては思ってしまうのです。
「もう働かなくて、いいんじゃないですか」
なんて、たまに言われますけど、
私、止まったら死ぬ生き物ですから…。
マグロが兄弟ですから。
スタッフたちから
「脇坂さん、また会社来てるよ…」
と陰でささやかれようとも、
新入社員とかから
「あのおじさん、誰ですか?」
と言われようとも、
会社の敷地の草むしりをやるとかして、
ずっと働いていると思います。
話を戻しましょう。
一見、不動産投資って簡単そうですよね。
毎月入ってくる家賃収入で、
その物件の購入ローンを払っていき、
残りが自分の取り分。
ものすごくざっくりいうと、
そういう仕組みなわけです。
ただ、「商売に甘いものは1つもない」
ってことは断言できます。
不動産を1物件買ったくらいでは
バラ色の人生は待っていないのです。
もちろん、長く続けることで
蓄積してきた私なりのノウハウはもちろんあります。
そのさわりみたいなものはお伝えしますけど、
「これで一生遊んで暮らせる!」
と期待すると、
たぶんがっかりすると思いますよ…。
あと、
「いい中古物件情報とかないですか?
築浅、駅チカ、周辺環境がよくて、
稼働率も上々みたいな…」
と質問されることもあるのですが、
ズバリ言っていいですか…。
そんなの誰にでも
わかりやすくて良い物件があったら、
自分で買ってますから〜!
いい山菜が採れる山があったら、
他人に言いますか?言わないでしょう!
や、なんか例えが違うか。
不動産投資をやるには、
3つポイントがあると思っています。
ポイントその1。
その人の「資格」みたいなことです。
つまり、平たく言うと、
不動産を購入できる資金を持っているかどうか、です。
どうしても自己資本ってものが必要になるので。
借り入れをして
物件を買うパターンが多いわけですが、
最近は金融機関から、
自己資本比率20〜30%くらいを求められます。
例えば3000万の物件を買うとして、
その30%である900万円は
自分で資金を用意しなければならないということ。
ある程度の元手がないといけません。
ポイントその2は、
不動産の良し悪しを見分ける能力です。
出会った物件が投資すべきものかどうかを
見極める力。
まず明らかなのは、
全然親しくもない第三者が薦めてくる物件は、
かなりの確率で胡散臭いってことです。
「絶対儲かるやつなら、なぜ自分でやらないの?」
って考えればわかりますよね。
「かぼちゃの馬車」という会社の事件、
ニュースで見たことがある方も
いるのではないでしょうか。
詳しくはググってみてほしいのですが、
ざっくり言うと、
シェアハウスの大家さんを募るビジネスが
破綻したというものです。
家賃保証とかしていて、一見安心にみえるけど、
あれは必ず事業者たちが
損をしない仕組みにはなっているわけです。
不動産仲介業の方は別にして、
不動産業をしている人は、
すべて疑ってかかったほうがいいくらいです。
もちろん、ちゃんとした方もたくさんいますよ。
(わ、私も含めて…だといいな…)
ただ、心構えとしては
それくらいのほうが健全ってことです。
私がここで書いてあることだって、
鵜呑みにはしないで、
咀嚼して、ご自身の頭で考えてみるってことが
大事なのではないでしょうか。
ポイントその3は、
金融機関と折衝する能力です。
あなたに、仲良くしている金融機関の人はいますか?
今、金融機関の人たちは何を考えているのか。
それを把握しておくことは不動産投資には
非常に重要です。
上記のかぼちゃの馬車事件以来、
金融庁からの指導があって
金融機関の貸付の条件は厳しくなっています。
彼らがどんな考え方をして、
その条件を決めているのか等々を知った上で、
自分にあう融資を
いかに受けるかを考えなければなりません。
じゃあ、まずどうすればいいかっていうと、
金融機関にこまめに足を運ぶこと。
コミュニケーションを重ねていくことで、
得られるものがあるはずです。
いかがでしょうか。
この時点で
不動産投資のイメージとちょっと離れていませんか。
「めんどくさくて、ハードル高いな…」
とかと思っていませんか。
や、そうなんですよ。
手間がかかるんですよ…!
ここで、さらに追い打ちをかけるように
残念なニュースを…。
不動産を買う時は、基本的に仲介業者さんから
物件を紹介をしてもらうわけですが、
彼らも仕事ですから早く話をつけたいのです。
であれば、不慣れな一般人の方より、
慣れている私たちのような不動産業者に
まず話を持ってきます。
「大きな金額だし、どうしようかな…」
と一般の方が悩んでいる間に、
私たちは諸条件を聞くだけで、
それが買いかどうか、
的確な判断を素早くできますから。
また、仲介業者さんは不動産の買取も行っていますが、
実は査定段階から、
「こういう物件の買取依頼が来ているんですけど、
脇坂さん、どう思います?いくらなら買います?」
みたいな相談がやってきます。
私たち、不動産業の反応を参考にして、
値付けがされますし、
なんならそのまま私たちが買うことだってあります。
つまり、何が言いたいかと言うと、
良い条件のものは、
なかなか市場に出にくい構造になっているのです。
しかも、札幌は不動産の価値が高騰中。
物件の“玉数”がぜんぜん足りていないのが実情です。
「一般人では、不動産投資をやるのは無理なのか…」
と思っていませんか。
いやいや、やっている方はいらっしゃいます。
実例をお伝えしましょう。
当社の関連会社経由で、
不動産取引のお手伝いをしたお客様のケースです。
お医者さんと、保険屋さんという、
どちらも不動産が本業でない方です。
非常に大事なポイントは、
お二人とも、本業がきちんと成立していて、
ちゃんと儲かっている(はず)という点。
目先の利益を求めていないんですね。
そのかわり、借り入れ期間を短くしようとされています。
ちょっと細かな話になってきますが、
解説します。
仮に10万円の家賃収入がある物件を持っているとして、
そのうち9.5万円を借り入れの返済に充てている。
つまり、毎月の利益は5000円。
そのくらいのイメージでやっているのです。
「え、たったそれだけ…?」と思うかもしれません。
…甘い!
彼らが狙うのは毎月の利益ではなく、
早く借り入れをなくし、
自分のものになった後に売る際の利益です。
これは中長期の話になってくるので、
自分の人生設計のひとつとして
不動産をされているのだと思います。
ちなみに所有されているのは、
築30年、40年の古い木造アパート。
それらを複数所有することで、
トータルでリスク管理をして、
万が一1つの物件で空き部屋がたくさん出ても、
他で補う仕組みをつくっています。
ここ、キモです。
「不動産を持っている人は、
毎晩シャンパンタワーとかシャンパン風呂とかしている」
みたいなイメージ持っていませんでしたか。
ぜんぜん違います。
収入のベースがあった上で
長い目で見て、コツコツ地道に取り組む方ばかりです。
甘い夢だけを見るなら不動産はやめときなさい…
というのが私の意見です。
でも、やっぱり挑戦してみたい、
という方もいるでしょう。
ひとつ、アドバイスするなら、
冒頭でお話した通り、
「まずやってみる」ということです。
私は「やったもん勝ちの世界」だと思っています。
何を隠そう、私も同じく
「まずやってみた」のです。
ただ、「必ず儲けてやる!」
とは思っていませんでした。
というのも、
私が不動産を始めた理由は、
工務店として建物を建てる土地が必要だったから。
私たちの仕事は土地がなきゃ始まりません。
でも、条件の良い空き地なんて昨今レアです。
だったら古い建物ごと土地を買ってしまおう
という発想でした。
たとえば10年後に建物を壊すことになったら、
そこに新しい建物をつくれます。
また、不動産をやっていると情報に詳しくなれます。
今、どんな物件が出ているのかキャッチできれば、
家を建てたい人のニーズに応えられる確率が
UPするわけで。
いずれも工務店という本業につながっているんです。
私の不動産デビューは15年ほど前。
買ったのは、
300万円程度の古い分譲マンションの1室。
5〜6年後に売却したら、
買った時と同額で売れました。
その間にも家賃収入が発生していたので、
息子の大学の学費にあてたことを覚えています。
こんなこと言うと自慢しているみたいですが、
私、失敗したことないんです…。
どっかで聞いたことあるセリフですね。
その理由ははっきりしていて、
高いものに手を出さないし、
石橋を叩いて渡らないタイプだから、です。
仮に失敗しても、許容できる範囲で
小さな一歩を踏み出してみると、
その経験から学べることはものすごく多いはずです。
ちなみに、
脇坂工務店で過去に家を建ててくださった
お客さまから不動産投資について相談されれば、
自分のできる範囲でお手伝いしています。
アドバイスというより、サポートといった感じですね。
ただ、
「自分が買ってもいいもの」しか紹介していません。
お客さまに極力損はさせたくないですから。
つまり、脇坂工務店で家を建てれば、
不動産ノウハウがおまけでついてくるということです。
おや、「結局、宣伝かよ!」みたいな声が
どこからか聞こえてくるな…。
いや、まあほんとに、
どうしてもって言う方に差し上げるオマケ程度に
思ってもらったほうがいいです。
過度に期待しないほうが良い。
不動産投資って、そういうものだと思っています。
さてさて、
今回はちょっとマニアックな話になりました。
最後に質問です。
もし、あなたがアパートを購入しようと考えた時、
どの金融機関に
融資のお願いをするのが良いと思いますか?
え、いつも給与が振り込まれている
都銀のメインバンク?
不正解!
金融機関には、
都銀、地銀、信金、信用組合と色々ありますが、
受けたい融資内容によって、
どこに相談に行くべきか、
そのあたりもちょっとしたノウハウが
あったりするんですよね。
その続きは第2弾ということで…。
あ、以上は個人の感想・経験なので、
不動産投資をやる際はご自身の責任でお願いします…!
脇坂肇