新築実例集
自然感とダイナミズムの調和新築|A邸|小樽市|2008年竣工
「海のそばで、のんびり過ごしたい」という自身の長年の思いと、日頃から一生懸命働いてくれる社員に憩いの場を提供したいという経営者としての思いやり。その願いを叶えるべく、Aさんは小樽市蘭島の前浜に社員とともに過ごす別荘を計画。建築は、空手を通じて10年以上親交のある脇坂工務店の脇坂社長にお願いした。
「彼の真面目な性格はわかっていました。空手の世界に身を置き、礼節を重んじる人間に悪いヤツはいないですからね」
立地条件は、既存の建物の屋根越しに日本海が広がり、敷地裏手に緑が生い茂る自然豊かな場所。周囲の既存建物と違和感なく佇み、借景を生かしつつ、非日常感を味わえる空間を重要視した。設計は若手建築家の戸島健二郎さんに依頼したが、建築家を交えて完成度の高い仕事を目指すスタイルにも、「プロがプロと組むのだから、いいものが出来るに違いない」と絶対の信頼を寄せたという。
こうして900坪の広々とした敷地に、大人数で集まってもゆったりできる別荘が完成。森と海を借景しつつ、木のぬくもりに癒される大空間が出来上がった。建築家の豊かな発想力のもと、丁寧な施工でそれを実現した脇坂工務店。その仕上がりに、脇坂社長への信頼感がより深まったとAさんは話す。
設計者からの一言戸島 健二郎
片流れ屋根の直交方向に上昇感を持たせた形状を内部空間にも連動させ、一室空間ながら天井高が連続的に変化し、屋根裏的、吹き抜け的空間を併せ持つ。
脇坂工務店さんは、当アトリエと同じ銭函を拠点とし、以前より交流を持っていたが、今回初めて施工していただくことができた。珍しい建物形態ではあったが、設計意図をよく汲み取りつつ、丁寧な仕事をしていただき、感謝している。
戸島健二郎建築設計
小樽市銭函1丁目11-13:TEL/FAX 0134-62-3415
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住宅雑誌Replan vol.82掲載記事