脇坂工務店

スタイルを貫いたシンプルモダン新築｜M邸｜札幌市｜2007年竣工

　若手建築家とのコラボ「ネオ・デザイン」で新しい住宅の可能性を広げるのみならず、独自の設計・施工で完成度の高い仕事の実績を積んでいる脇坂工務店。その仕事ぶりを、自分がシェフを務めるイタリアンレストランの改装で目の当たりにしたＭさんが、自宅の建築を依頼したのも無理はない。
　「基本色は白。装飾的なものを排除し、シンプルモダンで」と、明確なイメージを持っていたＭさん。奥さんも、雑誌などを切り抜いてスクラップブックを作り、素材・設備機器など住宅に関わる情報を徹底的に収集。“自分たちが住みたい家”の青写真を着々とつくり上げていた。そうなれば、あと必要なのは、自分たちの青写真をきちんと形にしてくれるプロの目と技。そこに、脇坂工務店がいたのだ。
　周辺の畑に将来、建物が建つことになってもプライバシーが確保できるよう、窓は高い位置に設け、横長のデザインに。ＬＤＫには、家族にもおいしい料理をふるまいたいと入れたステンレスの業務用キッチンが、スタイリッシュにおさまる。
　「料理と家、ジャンルこそ違いますが、共通するのは“つくる”という感動。本当に楽しかった」とＭさん。スタイルを貫くことができた初めての家づくりは、実に魅力あふれる時間だったようだ。

住宅雑誌Replan vol.80掲載記事