石本裕子さんの語る 音楽室の魅力とは
- ピアニスト 石本裕子さん
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札幌市生まれ、ジュリアード音楽院でハンガリー人、バルトークの高弟ジョージ・シャンドール氏に師事。その後、元桐朋学園短大ピアノ科講師、現在はハンガリ–を拠点にヨーロッパ、日本、アジア諸国と幅広い演奏活動を行っている。
東日本大震災後は、文化庁事業「震災こどもプロジェクト」で4年に渡り福島県内の小学校コンサートを展開した。2020年、ドイツ・ナクソスレ―ベルより女性作曲家作品を集めたCD「Pioneers 先駆者たち」が発売される。北海道新聞にロングインタビューが掲載される。3月8日の「国際女性デイ」ではブダペスト市内の公共ホール主催の女性作曲家コンサートを続けている。
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▼22年ハンガリーで活躍されていらっしゃいますが、札幌出身ですね。
はい、札幌の天使病院で生まれ、父が開業医をしていたので、白石区菊水で育ちました。幼少の頃より遠藤道子先生に学び、札幌の北星学園音楽科に通いました。その後NY・ジュリアード音楽院に行き、全米での公演活動をしていましたが、日本での公演も各地でしており、バーンスタイン提唱のPMF音楽祭が札幌で始まるという折りには、第一回PMF音楽祭にも参加しました。
▼ところで、日本では近隣への配慮で、一軒家でさえ自宅でのピアノ演奏を避けざるをえないという方も多いので、脇坂工務店では存分に自宅で練習できる防音音楽室の施工をご提案しています。ハンガリーのご自宅でのピアノ練習をする環境は、どのようなものでしょうか。
私の自宅には、私の練習と生徒のレッスンもあるので、グランドピアノを2台置いてありますが、幸い天井が4mもあり、近隣からの苦情はありません。少し漏れ聞こえる音はありますが、近くにお住いの小さい坊やが、「綺麗な音楽を弾いてくださり、ありがとう」なんてかわいいお礼を言ってくれたりして嬉しいこともあります。ただ、ハンガリーが音楽への理解が深い国とはいえ、生徒たちの中には、やはり日本と同様に、ご近所からのクレームを避け、自宅では仕方なく電子ピアノで練習をするという方も、昨今の住宅事情では多いのが実情です。なので、日本の状況と変わらないかもしれません、自宅に防音音楽室があればいいなと思うのは。
▼これから目指していかれることは何でしょうか。
永く「陽の当たらなかった女性作曲家たち」というテーマで、素晴らしい女性作曲家たちのことを多くの方に知って頂く活動を続けています。楽曲そのものだけでなく、彼女たちの置かれた時代状況、女性を含めたマイノリティの人権を求める活動なども伝えようと連載エッセイなども書いています。これからも、このテーマでの活動は続けていくつもりです。
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